2010年3月30日火曜日

浅田真央選手に思うこと

2009-2010シーズンのシーズン最後を飾るフィギュアの大会、世界選手権がトリノで行われました。
シングルはジュニア&シニア × 女子&男子の4つとも日本人が獲得するという快挙で、日本がフィギュア大国となっていることを実感します。さらにシニアの2人(高橋大輔、浅田真央)はバンクーバー・オリンピック後でありながらモチベーションを維持し、結果を残した点が高く評価されています。

優勝した彼ら以外の選手のレベルも全体的に上がっており、素晴らしいと思いますが、やはりトップ5に入っている選手は別格だと思えるんですよね。自分のスタイル・個性を(ほぼ)確立している点が私の眼には際立って輝いて見えます。フィギュア・スケートは採点競技ですから勝つためには採点方法に忠実な演技をすることが重要ですが、それが自分の個性・スタイルを失わないことの方がもっと重要だと考えているからです。

そんな折、こんな記事を読みました。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/text/201003280003-spnavi_1.html

私の印象では、浅田選手は「まだ大切なものに気付いていないかもしれないが、それは競技会で勝つために大切なものであって、彼女自身の個性そのものはほぼ確立している」のですが、いかがでしょう? そうでなければ、これだけの感動を我々に与えることはないように思うのです。

もちろん、彼女も現状に満足していないでしょう。素人目に見ても伸びしろはまだまだあるように思います。それは現状をベースにしてのものであり、ゼロベースでやり直す必要があるわけではありません。しかし、ものの見方や考え方、そしてプロセスなどを見なおす必要はあるでしょう。既に十二分な実績を残していますが、そうすることでより伝説的なスケーターとして名を残すことに近づくのだと思います。

でも、トリプルアクセルや4回転へのこだわりは捨てないで欲しい・・・と思ってしまうんですよね。

これって、「ここでしか食べられないスペシャリテ」を持ちつつも総合力で勝負するレストランと似ているような気がするのは私だけでしょうか(ちょっとこじつけ過ぎかな~)。

2010年3月26日金曜日

飲食店と集客

Webの世界にはマーケティング活動を行うには不足の無い要素技術/サービス/ツールが揃っています。

しかし、視線を個人経営の飲食店に振り向けたとき、これらをうまく活用して集客に成功している事例をあまり見たことがありません。私が知らないだけ、というのも当然あるでしょうし、そもそも端から見ているだけでは成功しているかどうかなんてわかりません。

でも、「少々手間がかかっても(他の手間を削ってでも)、やってみれば良いのに」と思うお店は多々あります。料理もサービスもコストパフォーマンスも素晴らしいのにお客が入らないという状況に陥っているお店ですね。完璧主義の経営者や店長さんは、来てくれたお客さんに最大限の満足を提供しようと思っていらっしゃるのでしょう。でも、その満足はお店に来てくれないと提供できない(=お店の根源価値を訴求できない)のだということをもっと意識するべきです。また、新規のお客さんが大挙来店することで、常連さんが落ち着ける場所が無くなって店から離れていくことを恐れる前に、まずはお客さんに来てもらうことが優先されるべきではないでしょうか?

職人気質の際立った料理人の方のインタビューなどを読むと「お店に来てくれるお客さんに対しては1回1回が勝負。そこで失敗したら次は無い。」という主旨の発言を見かけることがありました。これは正に完璧主義の方の考え方でしょう。しかし、失敗してもその後の適切なフォローによりリピーターになる、というのは誰もが知る状況になりました。完璧を期し、多大な労力・コストをかけて準備をしても100%の成果を得るには届かないというのも周知の事実です。起きてもいない失敗を恐れるよりも、まず実行(ここでは集客活動を指します)してから修正していく方法を採れば良いのです。

今は専門分野に注力すれば自然に客が集まるという時代ではありません(斉須シェフのお店なら・・・?)。集客のための行動を起こさないと新規/既存を問わず「本当に来て欲しいお客」は来てくれません。声を張り上げて「店に来てください」というのは恥ずかしいし、店のイメージと乖離する場合もあるでしょう。しかし、知恵とセンスを駆使すれば、集客プロセスにおいても潜在顧客に満足を仮想体験してもらい、実際の訪問の喚起に繋げることができるのです。

良い店には長く続いて欲しい(経営者に続ける意志があるならば、ですが)。
そのために今、優先的にやるべきことは何かを考え、出来る限りサポートさせていただきたいと思っています。