2010年12月12日日曜日

飲食店のツイッター活用への意見

このエントリーはツイッターを使って集客を試みているのに、効果が出ないと思っているクオリティ・レストラン関係者の方に読んでいただくことを想定しています。

ツイッターは機能面から見れば、非常にシンプルなツールです。

だからこそ、その使い方に対する理解が問われるものだと感じますし、その使い方を掘り下げて基本⇒応用を理解し、効果の程を分析した人しか+αの効果・価値を得るまでのプロセスは見えてきません。

日本でのツイッター黎明期に、豚組さんが飲食店として、いったんの成功を収めたのは皆さんご承知の通りです。代表の中村仁さんが様々なところでそのココロをお話されていますが、「そのココロ」を理解し、そこから何かを学んだ上でツイッターを運用されているクオリティ・レストランの方がどれだけいらっしゃるのか、しばしば疑問に思うことがあります。

そう感じる理由は、目的や優先順位が曖昧に感じられたり、継続への意志が感じられないからです。このブログでは折に触れ、これらの重要性に触れてきました。自分自身を振り返っても、やはりこれに尽きると反省することしきりなので、今後も触れることになるでしょう。

さて、ツイッターは、機能のシンプルさゆえに使う側に自由を与えています。しかし、ツイートされた何らかのテーマや記事を仲介しての人との繋がりが主な使用目的となっていることに疑いの余地はありません。

ですので、どういう繋がりか? 何をテーマに繋がりたいのか? どんな人と繋がりたいのか? を目的や優先順位として決める必要があります。これについては世の中の色々なアルファブロガーの方々がコメントしていますし、今更私がどこかの誰かがとっくに言及したような内容を欠く必要も無いような気もしますが、そこを敢えて。

飲食店の場合、集客を目的とした使い方をしたいと思った方も多いはずですが、集客という一言でまとめると曖昧過ぎます。ツイッター上での操作の一つ一つがAIDMAAISASといった購買行動モデルにおける各プロセスとどのような関係にあるのか、どのような意味を持たせるのかなども考え、理解すると良いのでしょう。

例えば、自分のお店のアカウントが誰かからフォローされることの意味を考えてみます。

  • フォロワーのタイプ
    • 同業他店(仲間/競合)
    • 取引業者
    • 既存客
    • 性別
    • 見込み客
    • ほぼ通りすがり・・・etc
  • フォローの動機
    • 知人、友人だから
    • 何だか素敵な男性(女性)がツイートしているなぁと(笑)
    • 過去のツイート全体に対する好印象
    • 直近のツイートを見て興味を持った(そのネタは何?)
    • どんなお店なのか、どんな人がやっているのか、どんなお客さんが居るのか知りたい、・・・etc
  • 流入経路
    • HPやブログなどから
    • 検索エンジンからの流入
    • 他サイトのリンクからの流入・・・etc

などなど。単にフォロワー数が増えるだけでは見込み客が増えることに繋がらないことがわかりますよね。誰がどういう動機で、どこを経由してフォローするに至ったかなどによって、お店からのアクションは異なる筈です。恐らく、皆さんも何となくそういったことに気付いているでしょう。

しかし、結局、お店のアカウントを使って、どのフォロワーに対しても十把一絡げのメッセージしか出さず、「そんなのメールでやりとりすればいいじゃない?」と思うようなナァナァなコミュニケーションがダダ漏れ状態で、内輪でまとまってしまっているのかな~と思うような雰囲気に包まれていたり・・・そういうの、心当たりありませんか?

とりあえずフォローしてみて、どんな感じなのか様子を見てから店に行くかどうか決めよう、と考える見込み客の腰を折ってしまうようなツイートに終始する飲食店関係者が案外多いことに驚いています。

ツイッターって知り合いとの単なるコミュニケーションツールだったのでしょうか?

そういう側面があることは否定しませんし、杓子定規なやりとりをするべきだ、などと言うつもりも毛頭ありません。経営者や従業員の人となりが感じられるようなツイートや生っぽいコミュニケーションはいいでしょう。全体として辻褄が合うのであれば、たまに毒を吐いてみるのも、キャパを拡げたりウマの合う人と深いコミュニケーションをする上で有効かもしれません。

でも、あなたのツイートが期待通りに、あるいは想定外の価値・効果を生んでいるかどうかをちゃんと見極めて、必要に応じて他の人と共有できるレベルまで昇華しないとあなた自身が何のためにやっているのかわからなくなるし、モチベーションも維持できないのではないでしょうか。

フォロワー数が一向に増えなかったり、あなたのツイートに周囲からの反応が無いのは、あなたのツイートに何か問題があるからだと考えるべきです。

フォロワー数は増えなくても良いという人も中にはいるでしょう。それはそれで結構です。だとすれば、ツイッターを使う目的の明確化、及び、どうであれば成功、あるいは効果が出ていると言えるのか、確認する方法や指標を定めておくべきです。例えば、一定期間内のフォロワー増加率なのか、リツイート/リプライ率なのか、フォロワーに占める一般(と思しき)の方の割合なのか・・・などですね。

一般の方からのフォロワー数が増えるということはAIDMAAISASで言う所のAttentionを上げたり、ファネルの口を拡げることに繋がるでしょうし、その指標の一つになり得るはずです。また、リツイートやリプライの数や割合はInterestを測定したり、購買までの心理・行動の遷移状態を把握することにも繋がるはずです。

このような効果測定手段を定めないと、「効果は?」と経営者に尋ねられても答えられないし、「時間かけてやってる割にダメじゃん」とか「ツイッターばっかりやって、遊んでるんじゃないよ」などと言われ、結果として効果があるのかどうか確たる結論を得られないままに運用をストップしてしまう例は多いように感じます。それで良いのでしょうか? PDCAの徹底の重要性はここでも問われているのです。

ツイッターなどの無料ツールは使用するまでの敷居は低い分、何が何でもそれを使って成果をあげるという執着も持ちにくい要素があるように感じます。だからこそ、それを真剣に使い切るかどうかで、効果に想像以上の差が生じるということを理解して欲しいですね。

ツイッターというツールが形成したコミュニティに今は人が集まっている、これは間違いのない事実です。クオリティ・レストランにおいては、今はまだツイッター活用ノウハウにおいて埋められないほどの差があるわけではないので、是非とも今の運用を見直して改善への足掛かりを掴んで欲しいと思う今日この頃です。

このエントリー、結果的にかなり平面的な内容に収めてしまいましたので、機会を見つけてまた触れたいと思います。次回はFESTIVINネタになります。

※もし、このネタの続きを早く読みたい、あるいは知りたいと思う飲食店関係者の方はメールなりお電話いただければ、ご説明に伺います(都内に限りますが)。

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