一方、専門誌を見ると、毎年特集記事は変わり映えせず、ほぼローテーション。その理由は想像できますし、決してネガティヴな受け取り方だけをするつもりもありません。それでも、コンテンツの見せ方、料理の魅力の伝え方には疑問を感じることが多いです。自分で感じている理由を挙げてみます。
- 理由その1
- 出版社が想定・設定している読者が飲食業界関係者であり、一般消費者に響き難い内容になっている(少なくとも私は自分を素人だと自覚しています)
- 理由その2
- 読者が食べたことが無い料理や行ったことが無いレストランの仮想体験をさせるだけの生々しさが不足
- 理由その3
- テキスト、写真での表現の限界を感じる
例えば、ここ数年、ローテーション率の高い「独立・開業」特集などは、一般消費者の中ではごく一部のグルメブロガーさんにしか意味の無い情報だと思うのです(それでも、新店オープンに関する情報という切り口で捉えて終わり・・・?)。一般消費者も興味を惹くような特集もありますが、ネットで十分に取得可能な情報もあり、紙媒体ならではの魅力(とは何か?という話もありますが)があまり感じられない・・・とか。
「専門料理」は写真のクオリティが圧倒的に高いですし、各誌とも特集・テーマに沿って横断に情報を得ることができることもメリットだと思っているのですけれど。
【理由その2、その3 について】
数年前からマーケティングで重視されている考え方の1つに経験価値とかユーザーエクスペリエンス(UE)と呼ばれるものがあります。その店内で時間を過ごしたり、料理を食べることとどんなハッピーな体験ができるのか、誌面を通じて伝えてくれれば、1人の外食好きとしてうれしいのですが・・・。
私はよく日テレの「ぐるナイ ゴチになります」を見ます。出演者が詳細なコメント無しにただ「美味しい~コレ」と言っているだけですが、調理の状況が生々しく見えますし、視聴者はその場を共有しているような気になれるのではないでしょうか。正に動画ならではのライブ感があり、正にUE。エンターティメント番組としての面白さと食事の楽しさ&料理の美味しさを分かり易く伝えることの両面で成功していると思っています(少なくとも石ちゃんの「まいう~」よりは)。
※BS日テレの「スペシャリテ紀行 皿の上の物語」やテレ朝の「食彩の王国」も良いコンテンツだと思います。
やはり、これらと比較すると、紙媒体の限界を感じてしまいます。
その点、Webはテレビと同等以上の表現と豊富な切り口を持てる点が素晴らしい。今後は動画でお店のプロモーションや調理のデモンストレーションを行うお店も出てくるでしょうし、一般消費者がレストランを仮想的に経験し、より訪問欲求を喚起することができるはず。
いずれにせよ、メディア毎にコンテンツと表現の組み合わせを最適化しなければ、お店や料理の魅力をこれまで以上に伝えることはできないでしょう。
トライあるのみ!
0 件のコメント:
コメントを投稿