(語り尽くされたネタですが、自分なりにまとめてみたくて書き始めました)
私はmixiで「マイナーエリアのフランスワイン」というコミュニティをやるほどワインが好きです。
私の周りにも多くのワイン愛好家の方がいますが、ワイン歴の長い人は自分の好みが定まっているので、あまり浮気をしません。そしてそういう人たちの中には、自分が所有しているワインをレストランに持ち込んでワインを楽しむ(=Bring Your Own)スタイルを持った人が多いように思います。私も以前はよくBYOをしていました。
しかし、BYOの際に飲めるワインは良くも悪くも自分のフィルターを通して買ったワインを飲むことしかできず、自分が知らないワインとの新たな出会いの機会にはなりません。
それに、BYOはお店にとって「他人の家に土足で踏み込む」行為に近い場合もあることをワイン愛好家も考慮すべきだと思います。もちろん、お店との信頼関係が築けている場合は問題ないでしょうが、それでも場合によってはトラブルも生じます。
例えば、ワイングラスに関するトラブル(?)はよくある話です。ワインに合わないグラスだったり、ワインは複数本あるのにグラスは在庫の関係で1個で使いまわさねばならない、などです。お店の常連さんならお店側のそういったシチュエーションを理解しているでしょうが、同席した人がその店を訪問するのが初めてで、そういう状況に寛容では無い人もその場に参加するとなれば、その人にとってもお店にとっても不幸な出会い・マッチングということになってしまいます。
また、BYOしたワインがブショネだったとしても、その責は持ち込んだ自分自身が負うことになるわけです。BYOをする人はそういうリスクを承知の上でいることはわかっていますが、この状況に直面すると自分もレストラン側も何とも言えないバツの悪さを感じることになります(同席者も気まずさを覚えるでしょう)。
そんな思いや経緯もあって、私は自発的にBYOをすることは年に1~2度程度に減りました。レストランのワインリストからワインを選び、飲むということは大変にワクワク・ドキドキすることですし、お店とのコミュニケーションを活発にし、その場を明るい雰囲気にすることに大いに寄与しますしね。
レストラン側も、ワインリストづくりとその提案については手を抜かず、提供する料理との十分な整合性と他の人が持ち得ない専門性を発揮し、来店客がお店のワインを心から楽しめるよう、一層の努力をして欲しいと思います。
ここまではBYOのネガティブ(?)な部分について書きましたが、もちろんBYOのポジティブな側面も多くあります。以降ではBYOを受け入れるレストラン側から見たメリットを考えてみます。
◎長引く不況で節約に疲れた? “巣ごもリッチ”急増のワケ
この記事にもあるように、外食業界での客足の原因は不況に伴う消費指向の変化にあります。
このトレンドに同調してケータリングサービスやお取り寄せを自店のビジネスに加えるお店もあるかもしれません。それも悪くないでしょう。ですが、これらのサービスと店舗経営とを並行運用するならば、固定費がかかる店舗での客席回転率の向上を目指す方が効率は良いでしょうし、実際に足を運んでもらってお店の雰囲気やサービスの心地よさをアピールする機会を探すべきと考えます。
これらの観点から、BYOを(一時的にでも)積極的に推進することはレストランにとってビジネスチャンスではないでしょうか。ワインのBYOをする人の多くはフローかストックに余裕がある人でしょうし、好感が得られればリピーターになってくれる可能性もあります。同席した人たちのメールアドレスや名刺をもらえれば、より幅広く継続的な関係を築く礎にもなります。
ワインの品揃えを売りにしているお店ではBYOを受け入れにくいのも事実でしょうが、付加価値の付け方(ex.グラスの貸し出し、BYOされるワインに合う料理を一緒に考える、など)とサービス提供方法(ex.BYOは週前半のみ可能、など)によって十分価値あるものになるのでは、と思っているのですが・・・いかがでしょう?>レストランの皆様
今回はここまで。
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