2010年9月11日土曜日

【ワインねた】ニッチをかき集めることが日本のワイン消費を多様化する?(その1)

4年半前から、mixiでマイナーエリアのフランスワインというニッチなコミュニティをやってます。

フランスワイン愛好家の中のほとんどの人がボルドー、ブルゴーニュ、シャンパーニュという3大エリアに集中しがち(マスコミ、口コミの影響大きく、クラス感が)。そのスタイルも価値も多様性豊かなものなのに、コアなワイン愛好家ほど○○原理主義に近づいてしまい(○○には自然派、ブルゴーニュ、ボルドー、あるいは状態などの言葉が入ります)がちな点に違和感を覚えていたこともあり、「多様性」をテーマにして4年半続けています。

2009年の8月には「マーケティング案、求めます!」というトピックを立てました。このトピ立てに際しては、一介の素人がこんな大層なテーマのトピを立てて良いものかと逡巡もありましたが、ソーシャルメディアの良い点を活かして時間がかかっても素人なりの集合知としてバリューのある情報になるはずだと思い、始めてみました。

コミュニティ参加者全員の合意を形成することはできないだろうし、元よりそのような気は無かったのですが、私のファシリテートが至らないため想像以上に議論に参加いただける方が少なく、集合知化する気配がまだまだ見えません。mixiのアカウントをお持ちの方には是非ご一読いただき、議論にご参加いただければ幸いです。

ところで、このトピックに最近書きこんだのですが、マイナーエリアのワインを安定的な人気商品にするためには「ニッチをかき集める」ことが有効ではないかと思い始めました。具体的にはラングドックやアルザス、ジュラなどのマイナー産地のワインをかき集めることで、amazonが実現した「ニッチでロングテールな商品」という括りで主力製品化し、マネタイズを図れないか、ということです。

かといって、この仮説を裏付けるようなデータ(ex. ワインの国内流通・消費に関するデータなど)は全くと言って良いほどに公開されておらず、誰もが納得してくれるような根拠を示すことは難しいのですが、この仮説を無理やり正しいものにしないよう、注意しながら投稿・分析・考察を同時進行的にやってみたいと思います。

1. ワイン流通の実状を探る

2010年の春ごろ、楽天市場に出店しているワインショップの社長と話をした際に、以下のようなデータを聞きました(真偽のほどは保障の限りではありません)
  • 楽天内のワインショップ:200前後
    • これで国内のワイン流通量の10%を占めるにまで成長(ちなみに国内の一般酒販店の数は80,000店を超える)。
  • 楽天市場でワインを購入する人の90%はワインのことをほとんど知らない人らしい、とのこと
国内のワイン販売店が約80,000店あるうち、200店(全店舗数の0.25%)で全流通の10%を占めるというのは、楽天が如何に強力な流通チャネルであるかということを伝えてくれる情報ですね。

一方、楽天に出店すると値崩れが生じ、ブランド価値を下げる可能性も出てくると考えるインポーターもいるため、必ずしも全てのインポーター、商品が楽天上で流通しているとは言い切れないことを前提とする必要があるものの、この200店舗で10万前後のアイテムを扱っている状況を考えれば、楽天が日本のワイン流通の縮図である、ということもやぶさかでは無さそうなので、楽天で公開されている情報などを元に推論と仮説を展開していきたいと思います。

2010年9月10日時点 楽天市場のワイン生産国別割合

上記グラフは楽天市場で現在、取り扱われている全種類のワインを生産国毎にどの程度の割合になっているかをまとめたものです(グラフタイトルをクリックすると楽天のサイトに飛びます)。このデータは楽天のサイトでトップから「ワイン」をクリックしたときに表示される産地別の商品数を集計したものです(以下スクリーンショット参照)。



残念ながら、この数字や分類の信頼性はあまり高く無いようです。
フランスは149,612アイテムがあると表示されていますが、サブカテゴリーのボルドー~南西部までを合計しても、135,042アイテムにしかなりませんし、モロッコのワインが15アイテムあると表示されていますが、これをクリックすると実際には11アイテムしか無い、という有り様です。



とはいえ、こちらでスクリーニングできるわけでも無いので、ここでは表示されているデータを受け入れて(数字は「15」の方を採用して)話を進めていきます。

見ての通り、フランスワインが全体の約60%と圧倒的なアイテム数、続いてイタリアワインが14.41%、そしてアメリカワインが6.35%とこの3つの国で、楽天に出品されているワインのアイテム数の80%を占めることがわかります。生産国数:18ヵ国ですから、18分の3(16.67%)で全アイテムの80%を占めるという、わかり易いほどにパレートの法則ですね。

さらに、この中で、フランスワインの中で各地域のアイテム数を見るとこのような割合になっています。

2010年9月10日 楽天市場 フランスワイン地域別取り扱い割合
ボルドー、ブルゴーニュだけで約74%、これにシャンパーニュを加えると約85%を占めています。

誤解の無いよう述べておきますが、この数字はあくまでも地域毎のアイテム数がフランスワインの中で占める割合に過ぎず、地域毎のワイン流通量の割合とニア・イコールだと判断するのは無理です。1アイテム毎の国内流通量がわかりませんから・・・。

なんだかフェルミ推定みたいになってきました・・・困ったなコリャ・・・。

立て直しのため、いったんこれでアップしておきます。中途半端で済みません。

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