2011年1月6日木曜日

あけましておめでとうございます ~ 脱・一般論

フェスティヴァンねたをアップするのに、もう少し時間がかかりそうでして、その前に小ねたを。

2011年は景気が少し回復するのではないか、と言われています。実際、2010年12月の賞与は少し増えていましたし、期待したくなる気持ちが芽生えるのも当然かも知れません。

これに対し、一般論として、中小企業や個人経営店などには、そういう傾向が見えるにはまだ時間がかかるとの見方があります。私もその見方には残念ながら同意しています。

ですが、クオリティ・レストランはこの一般論を当て嵌められることに対して、大いに抵抗しなければなりません。一般論はあくまでも一般論、研ぎ澄まされた感性/個性をウリモノにするクオリティ・レストランはその存在自体が一般論から逸脱した存在であるべきで、朱に交わって赤くなる必要はありません。さらに個性に磨きをかけて次のステージへの移行を目指すべきです。

大阪の「ハジメ レストラン」の米田氏が2010年11月号の「専門料理」で以下のようなことを述べています。

引用始め
また、長い間、日本のフランス料理は「いかに本場に近づくか」をめざしてきましたが、今は必ずしもそうとは言えません。むしろ「その人の料理」としてオリジナリティを発信できる強さを持つべきだし、それが私たちの世代の課題なのだと思います。もちろん、国籍がはっきりした料理、地域性と密接につながった料理がなくなることはないと思います。郷土料理や伝統料理のおいしさは誰もが認めるところでしょう。でもその一方で、ガストロノミーの世界では、「どこの国の料理であるか」よりも「誰が作った、どんなコンセプトの料理か」が重視されるようになって久しいと感じています。
【引用終わり】

このコメントには100%同意しますし、この前後で述べられた米田氏の洞察力の鋭さ、ロジックの明快さ、視野の広さには感心します。「専門料理」という雑誌の特性ゆえ、あくまでも料理にフォーカスした話となっていますが、上の引用部で「料理」を「店」に置き換えることで(ex. 「その人の料理⇒「その人の店」)、多くの飲食店関係者が共感し、範とすべき核心を秘めていると思います。もちろん、フランス料理やガストロノミーに限った話でもありません。

以前にも書きましたが、まず店の経営者・スタッフが店のコンセプトを共有し、その具現化に注力することで店の個性が際立ったものに近づき、お客からの共感を集めていくのです。せっかく考え尽して出来あがったコンセプトも情報発信されなければ相手に理解・共感してもらえるはずもありません。是非とも積極的な情報発信を心がけていただきたいと思います。不景気による悪影響を最小に抑える第一歩はそれに気付くことです。

本ブログを読んでくださるクオリティ・レストランの皆様にとって、2011年が素晴らしい1年であることを祈念しています。

※それにしても、「ハジメ レストラン」のHPは今回、初めて見たのですが、読むに値するものですね。訪問意欲を掻き立てられました。

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