2010年6月18日金曜日

サービス業の生産性は製造業の60%???

先日、東京経済政策研究会(TSEP)の勉強会に参加させてもらいました。

このテの話に滅法弱い私は多少は予習していきましたが・・・詳しい話はさておき(汗)、話の流れで出てきたネタが気になりました。


-- 日本のサービス産業の生産性は製造業に比べて60%程度しかない --


日本の製造業においてはカイゼンなどに代表されるように、生産性を高めるための取り組みが長い間行われており、実際、世界トップの生産効率を誇っています。サービス業(∊ サービス産業)については、それほど高くないだろうなぁとは思っていましたが、まさかそれほどとは・・・と思い、その元ネタを会の主催者の方から教えていただきました(三四郎さん、ありがとうございました)。
※なお、本エントリーは外部へのリンクが大変多くなっています。そちらを必ず読まれることをお薦めします。


このレポート中には、「我が国のサービス産業の生産性は総じて低く、特に、就業者数が多く集中する業種(建設業、卸売・小売業、飲食・宿泊業、医療・福祉、その他サービス業)の労働生産性は、他の産業に比べて低い。」との記述があります。


【低い生産性の原因と思われるもの】
  1. 生産性の低い産業(ex.飲食業)から高い産業(製造業)へ経営資源が移動しない
  2. 生産性の低い産業においては人件費等を低く抑えるために非正規雇用を多用し、生産性が低い状態から抜け出せない
  3. IT利活用の低さ(★)
  4. 新陳代謝の不足
  5. 競争環境の未整備
  6. 人口密度(需要密度)の問題


さらに、他の関連するネタを探したところ、以下のような統計情報もありました。

これらを読むと、確かに「サービス産業は日本の基幹産業である(GDPの68%!を占める)にも関わらず、製造業よりも労働生産性が低い」と読めます(あくまでも労働生産性に関する比較です)。



必ずしもそうとは言えないとする論もありますが、全要素生産性TFP)を中心としての話であり、また経産省のデータとは分析の粒度が違っていたり、論者の意図に左右される部分も大きいと思います。



さらに、別の資料からIT利用が生産性に与える影響についても言及されていました。以下の図はその抜粋です。

IT業界に長く身を置いてきた人間として、左記のデータは大いに納得するところです。ただ、このブログは、経済構造の問題を考えることも、サービス産業(もしくはサービス業)全体の生産性向上に対する提言をすることも目的とはしておりません(そんな大それたことはできません)。

いずれにしても、ここまでの情報を読んで、なるほどサービス産業(あるいはサービス業)はやはり生産性が低く、そこが不景気脱出のボトルネックになっていることはよくわかりました。もちろん、飲食店ビジネスはサービス業に属するわけで、これらの情報と私の経験を加味し、あくまでもクオリティ・レストランに関係する方々への何らかの示唆になり得るように、何らかの形でまとめていきたいと思います。

つづく

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