2010年5月15日土曜日

レストランのWebマーケティングをAISASで考えてみる(その1)

WebマーケティングではAISASを消費行動のモデルとして、Attention(注意/認知)→Share(共有)までの導線を計画すると良い、と言われています。このAISASモデルにレストランのWebマーケティングを当てはめて考えてみます。

ECサイトでの物販と外食で大きく異なる点として、ECサイトでは購入という消費行動がWeb上で完結するのに対し、外食は実店舗に来てもらうことが前提となることは言うまでもありません。レストランのWebマーケティングをAISASモデルに当てはめて考えると、Attention→Interest→SearchまでのプロセスとAction(予約 or 来店)の間には空間的・時間的に大きなラグが生じてしまい、Actionに結びつかないケースもあると思います。

ミシュランの星を取っているようなクオリティレストランでもドタキャンや空(カラ)予約(=行く気が無い、当日行くかどうかわからない)客への対応に苦慮しているという話も聞きますが、これもラグがあるゆえの課題であると言えるでしょう。このラグを如何に解消するかはレストランの集客において1つのポイントと言えるのではないでしょうか。

AISASのActionを予約と捉えれば、HPに予約機能を持たせることで、このラグの解消には繋がる可能性はありますが、それでも上記のような空予約の発生を完全に防ぐことはできません。それでも、予約者の電話番号やメールアドレスをレストラン側が記録できるのですから、直前での来店意志確認をできたり、予約客のモラルに訴えるような動きをすることもできます。よって空予約の抑止力かつラグ解消の第一歩となると思います。

ラグ解消のために、次に考える必要があるのは、他店への流出を防ぐということです。例えば、来店の2週間前に予約をしたお客が実際の来店までの間に何らかの理由でお店に対する興味を失う、あるいは他に魅力的な店があり、どうせならそちらにお金を使いたい、と思ってしまうことを防がねばなりません。そのための施策も練っておく必要がありますね。

予約をしたのが新規客であり、リピートに自信がある(≒現場でのサービスオペレーションに自信がある)お店であれば、初来店に限り特別なサービス(ex.割引など)提供といった施策も悪くないかもしれません。ですが、クオリティレストランであれば、割引が結果的にブランド力の低下に繋がることを考えます。ではどうするか?

用意された答えは無いというのが実状です。
予約数はマーケティングの成功指標の1つと言えますが、それをゴールにするのではなく、実際に来店してもらうことをゴールと考え、予約以降も顧客が店への訪問欲求を維持・増幅できるようにプッシュ型で情報提供していくことは有効ではないでしょうか。例えば、Webから予約してもらったお客様限定で新メニューのモニター応募チケットをメールで送付するとか、メニューがマンスリーで変わるのであれば、翌月のおすすめメニューの情報などを提供して翌月の予約欲求をさらに喚起するといったことも考えられるかもしれません。

いずれにしても、どのような提案にしても、その内容を良いタイミングで相手に伝えなければ検討してもらえないのですから、常にお客の消費への意志決定プロセス/行動を意識して適切なコミュニケーションをとっていくことが重要ということでしょう。

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