2010年5月20日木曜日

レストランのWebマーケティングをAISASで考えてみる(その2)

前回のつづきです。
個人経営のクオリティレストランのWebマーケティングにおいてAttention(注意喚起)→Interest(興味)をどのように(≒誰に対して or どの市場に対して)実行するか、はなかなか難しい課題です。

マクドナルドや牛丼チェーンのようにデフレ経済の代表選手としてマスコミがその動向を取り上げてくれることはありませんし、マス広告を出すことも難しいでしょう。先に記載したように料理系の専門誌での露出も一般ユーザーにはなかなかヒットしない可能性が高いようです。

とするとAttention→Interestというプロセスでは
  • 現段階でまだ効果が期待できる一般誌での露出
  • SEO検索結果連動型広告(PPC)などを頑張って、HPやブログに積極的に誘導する
  • ぐるなびや食べログなどの大規模グルメサイトで良い意味で目立つようにマネジメントする
  • ホテルや大手レストランがやっているように、メディア各社に対してプレスリリースを出していく(間接的ですが)
といったことが具体的に考えられますが、それぞれの難易度や費用対効果(労力対効果)はどうでしょう?

【一般誌での露出】
集客を期待できる飲食との相関関係の高い雑誌への露出であれば良いでしょうが、いずれにしても短期的/一時的な集客インパクトに留まると思われますので、中長期的にはリピート促進如何にかかってきますね。また、寄稿依頼の主旨やその号全体の内容も吟味する方が良いと思います。そもそも発行部数が少ない雑誌に載せても得られるビジネスインパクトも少ないでしょう。

【SEO、PPC】
ビッグワード(例えば、「フレンチ」や「渋谷」)で検索上位になるようにするにはSEOもPPCもそれなりのコストがかかることを覚悟しなければなりませんし、確度の高い見込み客へのリーチもほとんどの場合は期待できないと思われます。また、PPCは繁忙期(or 閑散期)だけに留めるといったやり方が一般的でしょうし、それだけで中長期的な集客効果として考えることはできません。

スモールワードやビッグワードの組み合わせについてはコスト面、かつ継続的な集客の可能性があると思っています。例えば、「シャラン鴨」というキーワードでGoogleを検索したときに、検索結果上位にレストランのHPは表示されていません。また良質な野菜で有名な「ビオファームまつき」で検索した場合も同様です(2010年5月20日時点)。

これは、これらのブランド性の高い食材を使っていることを各レストランがHPという媒体を使って市場に訴求できていないということを示していると考えます。逆に言うと、今なら、これらのキーワードを使って自分の店を露出をさせやすい状態にあるということです。

レストランにおいては、あまたあるキーワードツールなどをうまく活用しながら、効果の高いスモールワードを見つけ出し、SEO、PPCなどに取り組む価値と余地があると思います。

【ぐるなび、食べログなどでの露出度アップ】
口コミサイトとして位置づけられる食べログで露出アップを狙うには「ランキングを上げる」か「広告出稿する」といったところでしょうが、ランキングはそう簡単には上がりません。よって広告を出すということも考えられます。

食べログのユーザー層は「食のトレンドに敏感」と言われており、そこそこ高いポイントを取っているお店が広告を出すことは、かえってネガティブな印象を与える可能性もあるでしょう。それでも、食べログ経由で来てくれた人がポジテイヴな口コミを書きこんでくれることも期待できるので、ちょっと総合的に考えれば、短期的な売上アップと中長期的な集客の両面で期待できるかもしれません。

ぐるなびについては、新たに「クオリティ・レストランのユーザーを対象にしたサービス」を立ち上げるという噂があるので、良い客筋に対するリーチという意味では現状よりも良くなるかもしれません。

【メディアへのプレスリリース】
こんな感じのものです。
個人経営のレストランでちゃんとやっているところは少ないのではないでしょうか。自分でできることは自分でやるということであれば、受け身にならず、何かイベントをやるときなどに積極的に告知していくべきです。

常連客やHPで告知するためにどうせ資料は作るわけですから、それほど手間はかかると思えません。ユーザーに対しては間接的なアクションになってしまいますが、そこを起点にマスからの取材が入ることもあるでしょうから(ミシュランで星を取っているようなお店であれば、リリースする情報に対するマスコミからの注目度も高いでしょう)。

全体を通して言えることは、Attention→Interestの段階では見込み客の絞り込みが甘く、確度が低いものですから、費用対効果を強く意識しないと「鯛で海老を釣る」状態になる恐れがあるということでしょう。

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